意見感想と回答第10回 (7月5日)今回は3枚でした。 数は少ないですが、重大な指摘がありました。 でも、もう少し多くの人に書いてもらえると嬉しいです。 以下に質問の内容と共に皆さんの意見感想を書きました。 ホームページで公開不可、としたものは無かったので、 全員掲載しました。 (掲載に関して間違っていたら至急連絡して下さい。) 下線の上に私の回答があります。 質問1. アンケートで、平衡系の統計力学を説明してほしい方が 多数おられました。 今日の授業で平衡系の統計力学について、 分からない所があれば、書いて下さい。意見感想:特に無し 今回はボルツマンの原理とか、Maxwell分布が出てきましたが、 書いて頂いた人はいませんでした。 分かったのでしょうか。 アンケートで「(平衡系の)統計力学」 を説明してほしいと答えた7人の方の分からないところは、 何所なのでしょうか。 質問2. 今日の授業でよく分かったことがあれば、書いて下さい。意見感想:具体例のおかげで、相反定理の理解が深まったと思うどうも有り難う御座います。 やはり具体例は良いようですね。 毎年、輸送方程式は分からない章のトップなので、 今年は時間をかけて扱いましたが、どうだったしょうか。 ψμν、Lμν、 εμ, ενの意味付けが例を見てよくわかった。εμについてはこの前質問が出て、 分かり難かったようなので、具体例で説明しましたが、 それで良かった様です。 一般的な説明を繰り返すよりも具体例の方が分かりやすいみたいですね。 質問3. 今日の授業で分からなかったことがあれば、書いて下さい。意見感想:
これは、指摘されるまで私も気付きませんでした。 申し分けありません。 また、これを書いて出してくれた方には、 この様な重大な事を指摘して頂いて、有り難う御座いました。 この場でお詫びと感謝を致します。 次回の授業でも軽く触れるつもりですが、 ここで詳しく事情を書いておきます。 まず、相反定理が成り立つには、 輸送係数が{xμ}によらない必要がある事は、 授業でも説明した通りです。 しかし、実際にはよる場合がしばしば起るので、この条件が成り立つのは、 1種の近似でしかありません。 その近似が成り立つ条件は、 {xμ}の平衡値からずれがそれほど大きくなく、 輸送係数の中の{xμ}が平衡値で置き換えることが出来る、 という事です。 ただし、∂S/∂xμは厳密にとるので、 {xμ}については非線形です。 この様な近似を、 ∂S/∂xμについて線形近似と呼ぶことがあります。 したがって、授業でやった例の場合も無条件に成り立つのではなく、 化学ポテンシャルと温度の差が上の条件を満たす程小さくないといけません。 つまり、元々の輸送方程式が dU1/dt = L11(T1,T2, μ1,μ2)Δ1/T +L12(T1,T2, μ1,μ2)Δμ/Tという風にかけたとしても、ΔT=T1-T2、 Δμ=μ1-μ2とする時、 dU1/dt L11(T,T,μ,μ)(-ΔT/T2) +L12(T,T,μ,μ)(Δμ/T-μΔT/T2)と近似できて始めて相反定理が使えるのです。 ここで、Tは、 T1やT2や、その相加平均でも構いません。 その違いは、今の近似では無視出来るのです。 μについても同じです。 この近似の範囲内で L21/L22 = L21(T,T,μ,μ)/L22(T,T,μ,μ) |
が成り立つわけです。
ですから、最後にTが出てくるのは、
T1とT2の差が充分小さくて、
無視しているためだからです。
特になし。 質問4. その他、感想や意見があれば、書いて下さい。意見感想:最初暑くて眠かったです。次回はもう少し冷房をきつくしましょうか。 戻る 吉森明のホームページへ |