今回は前回ほど多くはありませんが、 熱心に書いてくれた人が何人かいました。 とても嬉しいです。 有り難う御座いました。
以下に質問の内容と共に皆さんの意見感想を書きました。 ホームページで公開不可、としたものは無かったので、 全員掲載しました。 (掲載に関して間違っていたら至急連絡して下さい。) 下線の上に私の回答があります。
定常は重要な概念であるのにも関わらず、 前回の授業では分かり難くて申し分けありませんでした。 今回の説明が、分かりやすかったようなので、嬉しいです。 §5の線形応答については、例年よりはかなり丁寧に導入したつもりです。 分かってもらって良かったです。
- 定常の意味がわかりました。
- §5(1),(2),(3)
時間おくれのない 線形応答も、 ある時刻tにおけるx(t)の値は、 tより過去の外場によっているものだと思うのですが、 違うのでしょうか。
「時間おくれ」に対する私の説明が悪かったのかもしれません。 申し分けありません。
「時間おくれ」が無いということは、 現在の外場に直ぐに応答するということなので、 x(t)の値は今の外場にしか依りません。 過去の外場には既に応答しているので、 現在の値は過去に依らないと考えるのです。 もし、過去によっていたら、それは過去の外場に対する応答なので、 「時間おくれ」があるということになります。
例えば、デルタ関数的にある時刻tにだけ外場をかけた場合を考えましょう。 もし、応答に「時間おくれ」が無ければ、 その時間以外は、xは0です。 その時間以後の時刻t'にxが0でない値を取ると、 それはt'から見て過去の時刻tにかかった外場に応答した訳ですから、 「時間おくれ」がある訳です。
ちょっと、wwwでは分かり難いかもしれませんが、 分からなかったらまた質問してみて下さい。
- Xω=∫∞-∞ X(t)eiωtdt のωの意味は何ですか? X(t)は不規則な時系列をもつものならば、 ωをどうやって決めているのですか? ω=-ω'は、どんな状態を示しているのですか?
不規則な時系列で連続なフーリエ変換が出来るのか、 確かに説明していませんでした。 申し分けありません。 実際、X(t)は積分可能かどうか分からないので、 Xωは厳密な意味では積分で定義できません。 厳密な定義では、tを有限の区間に区切って、 平均をとった後に 極限をとらなければいけません。 実験的に測る時は、有限の幅で離散的に並んでいる時刻でしか、 測定出来ないので、そういう意味では問題ないでしょう。 式で書くと、時間を間隔dtで離散的に t1,t2,t3,---と区切って、
Xω = Σj=-∞∞ X(tj)exp[itjω]dtと定義しておいて平均を取った後で、dtを0にするわけです。
ωの意味を説明するのは難しいですが、 dtの時間分解能の中での時系列の周期と思ってもらえれば良いです。 時間を離散的に考えれば、 不規則なものでも、 ある周波数ωのフーリエ成分を考えることが出来ると思います。
ω=-ω'については、 不規則な時系列に限らない一般のフーリエ成分の性質があります。 X(t)が実数であることからωと-ωのフーリエ成分は独立でなくて、 複素共役の関係にあります。 したがって、プリントの(6)式で示したのは、 X(t)が実数である限り決して独立に取れないωと-ωだけが相関があり、 それ以外には独立だということです。
また、わからなかったら質問して下さい。
教室が狭いので、変えたらいいと思う。私もそう思って、他の教室を探してみたのですが、 会議室しか空いていないようです。 会議室は机を並べ変えないといけないし、 全体的に使いづらいです。 しかも会議室も40人足らずしか収容できないので、 今と余り変わりません。 前回は少し人数が減ったと思うので、 もう少し様子を見たいのですが、どうでしょうか。