意見感想と回答

第4回 (5月24日)

今回は一杯ありました。 よほど分からなかったのでしょうね。 ちょっと説明が悪かったのかも知れません。 申し分けありませんでした。 ブラウン運動の方が分かりやすかったのでしょうか。 いずれにしろ、わかりづらかったら直ぐ書いて出して下さい。 そのために作っているのですから。

以下に質問の内容と共に皆さんの意見感想を書きました。 ホームページで公開不可、としたものは無かったので、 全員掲載しました。 (掲載に関して間違っていたら至急連絡して下さい。) 下線の上に私の回答があります。


質問1. 今日の授業でよく分かったことがあれば、書いて下さい。

意見感想:
途中出席したので、分かったことがありません
途中出席した方にも分かるような授業をするのは、 大変難しいので、勘弁して下さい。 HPに今までより少し詳しく書くつもりですので、 それを参考にして下さい。 もちろん、時間どおり来てもらえば、 それにこしたことはありません。

質問2. 今日の授業で分からなかったことがあれば、書いて下さい。

意見感想:
§4 時間相関関数
<X(t)>は全然区別できない
<X2(t)>は少し区別できる
というのがわからない
ここは今までの議論とかなり違ったので、 分かり難かったのだと思います。 もう少し説明に工夫が必要でした。 申し分けありません。 「<X(t)>は全然区別できない」というのは、 平均値が同じであっても平均値のまわりから大きく変動するものと、 ほとんど変わらないものがあって、それらが区別できないというだけです。 「全然」という言葉づかいは何を意味しているのかこれでは分かりませんね。 すみません。 「<X2(t)>は少し区別できる」というのは、 <X2(t)>が、 平均値からどれくらいはなれやすいかは示すことが出来るが、 ランダムに時間変化するものと規則的に時間変化するものが、 区別できないという意味です。 この説明で分かり難ければ、部屋まで来て頂ければ、詳しく説明します。
多次元のXμについて、 ψμνの理解に時間がかかった。
自分も φμν(t)≡<X(t)μXν> の平均のとり方がはっきりしません.
Rμ、Rνでの相関関数 ψμνの議論がよく分かっていないので、 できればもう1度説明して下さい。
3人の方に書いてもらいましたが、 出さない人もいるでしょうから分からない人はもっと多かったのでしょう。 これは質問されて説明したので、準備が足りませんでした。 次回、プリントに詳しく書いて配りますので、 プリントを見てまだ分からなかったら、また書いて下さい。
時間相関関数の@の定義 ψ(t)≡<X(t)X>で、 この平均はランダム力でとるとのことでしたが、 その意味がつかみにくかったです。
X(t)=X(○, R(t))と考えるならば、 結局時間平均とランダム力の平均は ランダム力の平均は同じものでであるような気がするのですが---.

平均とは何かということを詳しく説明した方が良かったですね。 1昨年は、最初の時間に分布の詳しい話をしました。 昨年はそれはやらなかったのですが、 多くの人が疑問に思ったようで、 やれば良かったと反省しました。 今年はブラウン運動から始めたので、 特に時間を取らなくても良いと思ったのですが、 甘かったですね。 申し訳ありませんでした。

ランダム力が分布すると言うのは、

同じ時間でもいろいろな値をとりうる

ということです。 今時間t1におけるランダム力の取りうる値を R1(t1),R2(t1),R3(t1),--- と書くとします。 このそれぞれの値をサンプルと呼びます。 別の時間t2におけるランダム力の取りうる値は、 R1(t2),R2(t2),R3(t2),--- となります。 X(t)は、この時刻t以前も含めたランダム力の関数になります。 分かりやすいように、時間を離散的に書けば、 t1<t2<t3<---として、
X(ti)=X(R1(t1),R1(t2),---,R1(ti))
となります。 別のサンプルのランダム力には別のX(t)が対応します。

ランダム力による平均は、すべてのサンプルを足し上げて、 サンプル数で割ったものです。

<X(ti)X(tj)> ={X(R1(t1), R1(t2), ---, R1(ti)) X(R1(t1), R1(t2), ---, R1(tj)) +X(R2(t1), R2(t2), ---, R2(ti)) X(R2(t1), R2(t2), ---, R2(tj)) +X(R3(t1), R3(t2), ---, R3(ti)) X(R3(t'1), R3(t'2), ---, R3(tj))---}/N
Nは、サンプル数です。

一方時間平均は、1つのサンプル内で時間に付いて足し上げるもので、 j=i+kとすると、

<X(ti)X(tj)> ={X(R1(t1)) X(R1(t'1), R1(t'2),---, R1(t'1+k)) +X(R1(t1), R1(t2)) X(R1(t'1), R1(t'2),---, R1(t'2+k)) +---+X(R1(t1), R1(t2),---, R1(tM)) X(R1(t'1), R1(t'2),---, R1(t'M+k))}/M
これは別のサンプルでは、別の値になる可能性もあります。 時間平均の値がサンプルによらないというのは、 エルゴード性の別の表現でもあります。

wwwでは分かり難いかもしれませんので、また部屋まで聞きに来て下さい。


たくさん質問を書いて頂いて、有り難う御座いました。 この様にたくさん書いてもらえると、 授業の何所がどんな風に分かり難くて、失敗したか、 具体的にわかるので、今後改善する時にとても役に立ちます。

定常過程については、次回もう1度説明します。 それで分からなければ、また書いて下さい。 「時刻が何処か分からない」という言い方は、 分かり難かったですね。 申し分けありません。 次回はこの表現を使わない様に説明しようと思います。 ただ、何がいいたかったのかだけでも書いておくと、 時間差だけわかっても、それが今どの時間なのかは、 分からないということです。 つまり、「今時間差は5分です。」といわれても、 正午なのか、午後3時なのか、夜の10時なのか、 分かりません。

ψμν(t)については、

時刻t=0の記憶をどれくらい忘れないでいるか

というのでは分かり難いでしょうか。 t=0のXの値を覚えていて、時間tだけ経った時、 その値の近くの値をいつもXがとると、 ψμν(t)は値が大きくなります。 逆に忘れてしまっている場合には、 t=0と独立に平均をとるのと同じですから、 <X>=0とすると、小さい値になります。 実際、ブラウン運動で線形ランジュバン方程式を使うと、 時間と共に指数関数的に減衰して行きます。 これは時間と共に記憶が失われていることを表します。

<X(t1)X(t2)>≠0 or 0 についても説明が悪かったようで、申し分けありませんでした。 もちろん、0でない場合、符号もある程度簡単に議論できます。 t=0のXの直ぐ近くの値を取る時は、正になります。 反対の符号をとりたがる傾向が強ければ、負になります。 私がその時説明したかったのは、ランダムに動いている場合と、 系統的に変動する場合では、 <X(t1)X(t2)> に違いが現れるということです。

ということでよろしいでしょうか。 この説明でも、分からなかったら部屋まで聞きに来てくれると、 良いと思います。 もちろん「意見・感想」に書いてもらっても良いですが。


質問3. その他、感想や意見があれば、書いて下さい。

意見感想:
ホームページに講義ノートを載せてほしい。
現在、ホームページは、反省を中心に書いています。 「ポイント」として、大事な所だけ書いていますが、 それでは足りないということでしょうか。 今後、増やす様努力してみます。
授業ノート2の4ページ目の1番上に「FD方程式」とありますが 「FP方程式」のあやまりではありませんか?
まったくそのとおりです。 ご指摘有り難う御座いました。 次回配るプリントで訂正させてもらいました。 どうも済みませんでした。
とくちょう→ 特微×
特徴○
これも、ご指摘有り難う御座います。 漢字もいろいろ間違えますので、指摘してくれると嬉しいです。 最近ではこの他、式という字の点が抜けているようです。 指摘は授業中にしてもらえるとなお良いです。 黙々と私一人が話しつづけていてもつまらないでしょうから。

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