意見感想と回答

第9回 (6月21日)

今回は2枚ありました。 たくさん書いてくれる方がおられるので、とても嬉しいですが、 もう少し多くの人に書いてもらえると良いと思います。

以下に質問の内容と共に皆さんの意見感想を書きました。 ホームページで公開不可、としたものは無かったので、 全員掲載しました。 (掲載に関して間違っていたら至急連絡して下さい。) 下線の上に私の回答があります。


質問1. アンケートで、平衡系の統計力学を説明してほしい方が 多数おられました。 今日の授業で平衡系の統計力学について、 分からない所があれば、書いて下さい。

意見感想:
特に無し

今回は例としてカノニカル分布を扱いました。 カノニカル分布はおそらく物理学科を卒業されていれば、 わかるので、問題ないと思うのですが、 もし、分からなかったら聞いて下さい。 アンケートで「(平衡系の)統計力学」 を説明してほしいと答えた7人の方の分からないところは、 別のところでしょうか。


質問2. 今日の授業でよく分かったことがあれば、書いて下さい。

意見感想:
  • 定常過程と時間相関関数から相反定理が導かれるところ。
普通の文献ではここまで丁寧にはやりません。 ここまで丁寧にやる必要があるのか、多少疑問がありますが、 私が勉強した時もここが非常に分かり難かったので、 詳しくやりました。 分かってもらって嬉しいです。
{xμ}の具体的ないみがわかった。 xμは、x、xの時間微分とかでも良い. (まさつのあるバネ) 今まで、多粒子の位置のことかと思っていた。
やはり具体例でしょうか。 次回は具体例を丸まる1時間使ってやりますので、ご期待下さい。

質問3. 今日の授業で分からなかったことがあれば、書いて下さい。

意見感想:
  • εμ=±1とは、 μの値に関係なくこの値をとるということですか。 すると相反定理は、 ψμν=±ψνμと書けるような気がするのですが、 わざわざεを使って書くのは何故ですか? 時間反転の場合と、それ以外の反転対称性の場合では、 εの値は異なるのでしょうか。
  • オンサーガーの仮定の説明で、 下図の様な説明がありましたが、 これは、 ランダム力は減衰に寄与しないと考えているということでしょうか。 (図省略)
  • 相反定理で符号が 正の場合と負の場合とでは何が異なってくるのですか。

授業の後、同じところを質問に来られた人もいて、 εμのところは分かり難かった様ですね。 申し分けありませんでした。 次回もう1度説明すべきかもしれませんが、 具体例をやるので、その中で説明することにします。

εμは、μによります。 {Xμ}={X1,X2}={X,V}として説明することにすると (X,Vは1番目の粒子の位置と速度)、 プリントの(20)式の下の例で説明したように、ε1=1で、 ε2=-1になります。 この場合相関関数の式は、ψ12=-ψ21となります。 ところが、X3として2番目の粒子の位置をとると、 ψ1331で、μとνがどの値をとるかで、 符号が変ります。 そのためにわざわざεを使っています。

時間反転でない対称性の場合は、 もちろん同じμでもεμが変ります。 宿題28と合せて考えてもらえると良いと思います。

ランダム力は減衰に寄与しません。 ここで言う減衰とは平衡値に近づくところを言うので、 ブラウン粒子でいうと、まさつだけで平衡値に達することが出来ます。 しかし、いったん平衡値に達してしまうのとランダム力が無い限り、 揺らぐことは出来ません。

多変数の輸送方程式における輸送係数Lμνは、 Xμの時間微分と、SのXν微分との結合を表します。 相反定理の符号は、XμとXνが時間反転に対して、 どの様に振る舞うかを表していて、 両方とも同じ振る舞いとときは、プラスになり、 どちら片一方でも別の振る舞いをする時は、マイナスになります。 この点は最後にまとめて説明するつもりです。


特になし。 しいていえば、多少定理の説明が速かった。
相反定理の具体的な証明はプリントで説明しましたが、 これがまた、速くなってしまいました。 申し分けありません。 プリントは何行づつかチェックポイントをつくって、 時間を計ろうと思います。

質問4. その他、感想や意見があれば、書いて下さい。

意見感想:
特になし。


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