質問. (採点結果: 20点)
板書では
・ <ΔW2>=DΔtについて
(この後板書が続くが略)
1.
図1
となっていた絵は、ΔWをその前の式
ΔW = t+ΔttR(t')dt'
から判断するとちょっと違っていて、
--->
図2
ということですね。
---> 書き忘れましたが、縦軸 R(t) とすればの話です。
*なんかすこしこまかいことに対する質問ですみません。
2. 次に
<ΔWiΔWj>=0 i≠j
となっていましたが、
ΔWiとΔWj
に相関がないことはわかるのですが、そのあとの
<ΔW2>=d を使うまでのどこで
<ΔWiΔWj>=0
は使う必要があるのですか?
つまりは、ΔW2の平均をとると
d になりますということだけではいけないのですか?
さらにいえば、ΔW2の平均が
d という仮定だけでいいなら、ΔWi
と ΔWjの相関があってもいい、
(というか、R(t) の定義より相関が無いのですが ---)
のではないのでしょうか?
ここらへんが、いろいろ交差してしまって??
質問がみえにくいのでまとめると、
ここで
<ΔWiΔWj>=0
の議論の必要はないのではないでしょうか?
これをもちだした理由を知りたいのです。
↓
自分なりに、理由をいろいろと考えてみたのですが ---
11/1のプリントの(3)式
f(x(t+Δt)) = f(x(t))
+df/dx|X=X(t){F(X(t))Δt +ΔW}
+1/2d2f/dx2|X=X(t){F(X(t))Δt+ΔW}2
+ΔXの 3次以上の項
の平均をとる操作のときに第3項目で、(7)式や(8)式にいく前に、
1/2<d2f/dx2|X=X(t)
{F(X(t))Δti+ΔWi}{F(X(t))Δtj+ΔWj}>
として平均をとるというときに
<ΔWiΔWj>=0
を使って(7)(8)へいって(9)へという流れで計算されていると思うと
"<ΔWiΔWj>=0
をもちだした"という点は納得できますが、
何か上の計算の式変形に疑問が残ります。
板書では、
<ΔW2>=d
d がΔt に比例することを説明する。
時間の区切りを n 倍する。
(図省略)
n=3
Δt -> δt <δWk2> = nd (宿題)
n <- Δt が何個入るか?
つまり、<δWk2> ∝δt
3
このことを次のように理解してみたのですが、
誤解があれば、指摘して頂けませんか?
まず、すこしあいまいだったので、記号の定義の確認から入ります。
X(t): 考えているものの座標
F(X(t)): X(t) で物体に加えられている"ランダムでない
(連続的な?)力"
ここからがすこしあいまいだったのです。
R(t): 時刻 t でのランダム力
W(t): 時刻 t でのランダム力のポテンシャル
ΔW(t): 時刻 t でのランダム力
ここで R(t) と ΔW(t) の違いですが、
ΔW = t+ΔttR(t')dt'
より、
R(t): 時刻 t ちょうどのランダム力
ΔW(t): 時刻 t から時刻 t+Δt までに加えられた、
ランダム力の"正味の量"
というところでしょうか。(図省略)
と、すると、R(t) の「何」を許すかということにもよるのですが、
ΔW(t)が正味の量なので、おそらくいきなり
X'(t) = F(X(t)) +R(t)
↓
ΔX(t) = F(X(t)) +ΔW(t)
としてもいいと思うのですが --- (図省略)
*こまかいようなことをいう質問で申しわけありません。
で、話は続くのですが、
上の定義で言うと、ΔW(t)は微小区間
t, t+Δt では、連続?
ということだと思うのです。
---> この議論じたい、なんの意味ももたない議論なんですけど
---
微小区間がかぶったりするといろいろ問題も?
(図省略)
--- (中略) ---
というところまでは理解できていると思うのですが
問題は次のことです!!
<δWk2> = nd
いま n = 3
つまり
図3
<ΔWk2> = d
で <δWk2> = nd となるのがわかりません。
・仮定がどのようにきいているのでしょうか?
--- (中略) ---
・グラフなどをもとに考えることが間違っているのですか?
途中、板書をそのまま写してある部分とか、
良く分からなかった部分は、略しました。
まず、1ですが、これはまったくそのとおりです。
ただし、R(t)は発散する量なので、それが嫌な人は、
R(t)は考えずにW(t)から考えると良いでしょう。
2 は、ΔWiとΔWj に相関がないことは、d がΔt
に比例することを示すときに使います。
これは授業でもう少し詳しくやれば良かったのかもしれませんが、
皆さんにやってもらおうとして宿題にしました。
宿題11をやって下さい。
また、この仮定を使わないとどうなるかは、宿題13になります。
とにかく、d がΔt に比例するのが、
FP方程式を導くときのポイントなので、重要です。
3 は、話がややこしいですが、順に考えていきましょう。
まず、記号の定義ですが、X(t)は一応座標に限定せずに、
不規則に運動する変数ならどれでも表せるように考えています。
例えば、熱雑音の回路では、コンデンサーにたまる電荷を表します。
ただし、以下では分かりやすいように X(t)を運動量として、
話を進めましょう。
したがって、F(X(t))やR(t)は、力になります。
W(t) は、授業では出てきていないと思うのですが、どうでしょう。
R(t) と ΔW(t) の違いですが、R(t)は力であるのに対し、ΔW(t)は力積です。
"正味の量"が何を指しているのかわかりませんが、
R(t)は発散する力がパルス上にくるので、
ΔW(t)は、t から t+Δt まで、そのパルスが何回来るか、
その本数を表します。
ΔX(t) = F(X(t)) +ΔW(t)
は、次元があいません。
ΔX(t)は、運動量の次元ですが、F(X(t))は、力です。
ただしくは、
ΔX(t) = F(X(t))Δt +ΔW(t)
です。
ΔW(t)は t に対して不連続です。
上でも言いましたように、ランダム力 R(t)
は、発散するパルスのようなもので、
ΔW(t)は、それを t から t+Δt の区間で積分したものです。
もし、どんな t でも
t から t +Δt の区間にパルスが 1個だけ含むときは、
ΔW(t)は連続になりますが、
t によってはそうならない場合も出来てきます。
たとえば、区間に 1つもパルスが含まれていなければ、
その t では、ΔW(t)は 0 です。
パルスを含むかどうかは、t を動かしたときに、
徐々にではなく急に変るので、ΔW(t)は不連続になります。
最後に
<δWk2> = nd ですが、
この辺から質問が分かりにくくなって、良く理解できないので、
うまく答えられないかもしれません。
ごめんなさい。
とりあえず、<ΔWk2> = d
と <δWk2> = nd の違いをグラフを使って説明すれば、
良いでしょうか。
まず、書いて頂いた
図3
は、だいたい良いのですが、ΔWk2
と δWk2 が一緒に書いてあるので、
これを分けることにします。
ΔWk2は、
図4
となります。
グラフの値を読み取ると、3, 5, 2, 2, 3, 2, 5, 2, 3, 5,
で、平均は 3.2 です。
δWk2 は、n を 2とすると、
図5
となります。
これは、
図4
を2つずつ組にして足し合せてつくります。
グラフの値を読み取ると、8, 4, 5, 7, 8,
で、平均をとると、ちゃんと 6.4 = 3.2かける 2になります。
ただし、ここで平均は、時間平均にしましたが、
授業では、サンプル平均で定義したので注意して下さい。
採点は、2-2. は 4つのポイントを 2回に分けてやったので、
ポイント 1つあたり、50点になります。
この方は、2番目のポイントの
4割ぐらい理解していることが分かったので、20点にしました。