2006年度 後期 大学院非平衡物理学

アンケート(その二)の結果

まず最初にアンケートに協力してくれた人達に感謝致します。

以下に示すアンケートの結果は、2月12日現在の結果です。 まだ、締め切っていないので、提出されていない方は、 どんどん提出して下さい。

集計結果の後に下線を引いてコメントを書きました。 その下に書いてあるのは、アンケートにあった意見です。 ホームページで公開不可、としたものは無かったので、 全員掲載しました。 (掲載に関して間違っていたら至急連絡して下さい。) 下線の上に私の回答があります。

1. 所属している専攻 (回答者数 8)

1: 凝縮系科学(物理) 6
2:凝縮系科学(化学) 0
3:基礎粒子系科学 1
4:その他 1 (システム生命科学府生命物理工学)

今回は、システム生命科学の方が出してくれました。


2. 後半のレベル(回答者数 8)

1:難しすぎる。 2:少し難しい。 3:少し低い。 4:低すぎる。 5:適当。
5 2 0 0 1

前半に比べ、めちゃくちゃ難しくなったのですね。 私自身はまったく気がつきませんでした。


3. 後半の進み方 (回答者数 8)

1: 後半は内容が多く進度が速すぎた。 1
2: 内容が少なく進度が速すぎた。 0
3: 1日1節にしてほしい。 1節が2回にまたがるとわかりにくい。 1
4: 進度内容ともに適当。 6

こちらは「4:進度内容ともに適当。」が多数でした。


4. 板書 (回答者数 8)

1: 式と式の間に説明が少なかった。 0
2: 文章のつながりがわかりにくかった。 0
3: 全般的に量が少なかった。 2
4: 簡単な式変形が多かった。 0
5: 適当。 6

ほとんどが「5:適当。」でした。


5. 後半の説明 (回答者数 8)

1: わかりにくかった。 2: 少しわかりにくかった。 3: わかりやすかった。 4: とてもわかりやすかった。
1 4 3 0

前半よりさらにわかりにくくなったようですね。 申し訳ありません。


6. 説明の悪い所 (回答者数 8)

1: 具体例が少なかった。 1
2: 具体例がわかりにくかった。 0
3: 結果の考察が足りなかった。 0
4: 式は追えるが概念的な事が分からなかった。 2
5: 式の導出がわかりにくかった。 2
6: 論理的なつながりがわからなかった。 0
7: 簡単な所に時間をかけすぎた。 0
8: 記号の定義がなかった。 0
9: 流れがわかりにくかった。 0
10: 悪い所は特になかった。 5

「10: 悪い所は特になかった。」が一応過半数ですね。 説明が分かり難いのは、内容に問題があったようです。


7. プリント (回答者数 8)

1: 結論の後の問題は要らなかった。 1
2: 結論の後に問題があるのは良かった。 1
3: 概念の説明が足りなかった。 2
4: 式変形の説明が足りなかった。 1
5: 図をもっと載せてほしかった。 2
6: 板書よりもっとプリントを使ってほしかった。 1
7: プリントより板書の方が良い。 1
8: 板書で説明する内容がプリントにもあると良い。 2
9: 欠席者のためのプリントがほしかった。 0
10: 授業中に説明できない内容をプリントにすると良かった。 1
11: プリントは問題なかった。 2

ほぼ均等に票が分かれました。 3/4の人がプリントには不満を持っているのですが、 どういう所が不満かというのは、人によって違うみたいです。


各章の関係を示した図は、流れを理解する上で、 大変役に立ちました。

そうですか。 それは良かったです。 最初の時間にも言いましたが、非平衡物理は、完全には体系だっているとは言えないので、 全体の流れと、その中で今やっている所の位置づけを分ってもらうのが、難しいです。 特に図なんか作らなくても、自然に分るのが良いのでしょうが、説明が下手なせいもあり、 図が無いと分からなくなると思います。 あっても、分らない所はあったと思いますが。


8. 各講義について

1:とても難しい  2:難しい  3:適当  4:簡単  5:簡単すぎた  6:興味が持てた  欠席 
3.3. 時間遅れの応答 (11月29日) 0 5 4 0 0 0 0
3.4. 久保公式 (12月6日、13日) 0 3 4 0 0 0 1
4.1. 不可逆過程の現象論 (12月13日、20日) 0 3 3 0 0 0 2
4.2. 時間反転対称性 (12月20日、1月10日) 0 4 3 1 0 0 1
4.3. オンサーガーの相反定理 (1月10日、17日) 1 6 1 0 0 0 0
5.1. 森理論その一 (1月17日) 1 1 3 0 0 1 3
5.2. 森理論その二 (1月24日) 1 3 2 0 0 1 1

後半はやはり難しいようで、「3:適当」の数が「1:とても難しい」と 「2:難しい」をあわせたよりも多いのが「3.4. 久保公式」と 「5.1. 森理論その一」の2つしかありません。 一番難しいのは、「4.3.オンサーガーの相反定理」でした。 例年これは、そんなに不評というわけではないので、この結果には驚きましたが、 とここまで書いて、今、2003年のアンケートを見ると、ちゃんと「オンサーガーの相反定理」 は評判が悪かったですね。 しかも、「毎年懸案」になっていました。 ここ2年ほどは、後半にアンケートを取るのをさぼっていたので、 気がつきませんでした。 確かに相反定理を説明した次の週の復習のときに、分らないと言っている人がいました。 これはやはり時間の問題でしょうね。 時間が詰まってきて少し慌てたせいかも知れません。 来年は時間を増やして、2週続けて説明しようと思います。

後半は難しいので、時間配分を考えたほうが良さそうです。 講義は全部で15回するのが原則らしいので、1月中に14回まで出来るのなら、 予備は2月に取って、「森公式」を止めて、今ある項目を詳しくやろうと思います。 ただ、数年前までやっていたのに、ここ2、3年はやっていない項目があり、 それを入れるかどうかは考えどころですね。 しかし、「2. 後半のレベル」の結果を見ると、新しい項目を増やさずに、 後半は時間を取ってじっくりやるほうが良いようです。


9. 復習 (回答者数 7)

1: 学生にさせるのは止めてほしかった。 1
2: 前回指名しておくのが良かった。 2
3: 今のままで良い。 4

「3:今のままで良い。」がかろうじて過半数でした。 まったく止めてしまわなくても良いようでしたが。 もう少し工夫が必要だったのかも知れません。


どんなことをやったのか、あらためて思い出せるので、 とてもよいと思います。

ほめて頂いてありがとうございます。 確かにそれが狙いなのですが、やはり時間がかかってしまい、 無駄に感じる人もいるようですね。


同じ人に何度もあてていたので、もっといろいろな人に指名して欲しかった。 復習の時間をもう少し短くした方が良いと思う。

1度やってもらった人は、出来るだけ2回目あたらないようにしていたのでですが、 特に後半は、前回来なかったり「出来ません」と言われてしまったりして、 どうしてもタブってしまいました。 もっとも私が忘れていた、ということもあったと思います。 メモを取った方が良いかも知れませんね。 名簿を見ながらあてるのも良いかも知れません。

時間については、あてた人が話し終わらないと、先に行けないので、 短くするのは難しいです。 あてるまでの時間を短くするのが良いかも知れませんが、でもその間に 「自分があたるかも」と思って、結構ノート等を見るでしょう。 とにかく、今は時間をかけすぎているのが最大の問題点なので、 何とか考えないといけません。


10. 授業中に学生に当てること(復習以外)(回答者数 8)

1: 頻度が多すぎた。 0
2: 時間が長すぎた。 1
3: 指名してほしかった。 1
4: もっと頻度を多くしてほしかった。 1
5:今のままで良い。 5

かろうじて「5:今のままで良い。」が過半数でした。 アンケート(その一)にも書きましたが、指名せずに、 皆さんに質問を投げかけると良いみたいですね。 それで時間を減らして頻度を上げると良いかも知れません。


11. 宿題の問題 (回答者数 8)

1: 全体的に難しい。 4
2: 全体的に簡単。 0
3: 難しい問題が多い。 0
4: 簡単な問題が少ない。 0
5: 配点が少なすぎる。 0
6: 配点が多すぎる。 0
7: ヒントがあるとよい。 3
8: 授業とのギャップが大きい。 1
9: 問題がわかりにくい。 0
10: 宿題は適当。 2

「1:全体的に難しい。」が回答してくれた人のちょうど半分でした。 やはり難しかったのでしょうか。 前半で、そういう声が出たので、後半はだいぶ簡単にしたですが、 それでも難しかったのですね。 来年は、授業を聞いていたらそのまま解けるような問題を増やして、 全体の半分ぐらいにします。 また、プリントに載せてある「目標」に対応させた問題を考えます。


12. スライド (回答者数 7)

1: スライドはわかりにくかった。 1
2: スライドは効果的だった。 6
3: 分りやすいので多くしてほしかった。 0

ほとんどの人が「2:スライドは効果的だった。」です。 ただ、「3: 分りやすいので多くしてほしかった。」がいなかったので、 それほど大成功というわけでもありません。 「1: スライドはわかりにくかった。」は1人でしたが、全体の数が少ないので、 1/7は、無視できない割合です。 でも、まあ、今ぐらいの頻度なら良いということでしょうか。


13. 総合的に (回答者数 8)

1:非常に不満  2:不満  3:まあまあ  4:満足  5:非常に満足 
0 0 4 (50%) 2 (25%) 2 (25%)

「4:満足」と「5:非常に満足」の合計を例年見てみると、
1999年の1回目が 29%、2回目が 56%、
2000年が1回目が 69%、2回目が 29%、
2001年は1回目が 64%、2回目が 57%、
2002年は1回目が 59%で、2回目は 76%、
2003年は1回目が 56%で、2回目は 86%、
2004年は1回目が 72%で、
2005年は1回目が 86%で、
2006年は1回目が 61%で、
で、1回目より落ちました。 やはり「2.後半のレベル」で「1:難しすぎる。」が過半数いましたので、 それが問題だったのでしょう。



感想、意見、希望など

「質問」や「宿題」 が理解を深めるための良いシステムになって機能していると思いました。 これからも続けてほしいと思います。

どうもありがとうございます。 「質問」は、嫌な人もいると思いますが、評価してくれる人もいるのですね。 「宿題」は、「全体的に難しい」という意見もありましたが、 試験をするよりはいいのでしょう。 いずれにしろ、工夫の余地はありますが、工夫して来年も続けます。


非平衡の統計物理学は、 学部の4年とゼミで何回か勉強はしているのですが、 いつも式変形や式の導出でつまづき、全体の流れを把握できずにいました。 それで、もっと体系的に勉強し直したくて先生の講義を受講しました。
丁寧なプリントと流れを重視した説明のおかげで、 これまで混乱していた部分の理解がかなりクリアーになりました。 来年もぜひ受講したいと思います。

こういう風に言ってもらえるとちょっとは頑張った甲斐があったと思え、 うれしくて涙が出そうです。 ありがとうございます。 授業はやっぱりうまくいかないことが多いので、 どうしても準備に時間がかかってしまうのですが、 正直に言って授業にこんなに時間をかけて良いのかと迷うこともあります。 それでも、こんなに言ってもらえるとほんとうれしいです。

非平衡系の研究は、 私の意見では体系だっていないということを最初の時間にも言いましたが、 だから、全体の流れを把握するのは、他の研究分野に比べ至難の業です。 私の授業を受けても、もちろん、全体の流れは完全には把握できません。 特にブラウン運動と線形応答は普通は独立して説明されるので、 授業で関連づけて話したのは、非平衡物理本来の流れというより便宜上と思って下さい。 それでも、そういう事情が分ってもらえただけでも、授業をした甲斐があったというものです。

来年もまた受けて頂けるとのことですが、 来年の講義の内容は今年とほとんど変わりません。 むしろ、後半はレベルが難しかったようなので、 内容を少し減らして詳しくやろうと思っているので、 2回目の人にはつまらないかも知れません。


半年間、講義を聞いて頂きましてありがとうございました。 後半特に難しかったようで、申し訳ありませんでした。 今年の教訓を生かして、来年はましな授業が出来ると思いますが、 皆さんには関係ないですものね。 それから、アンケートの集計が遅れてすみませんでした。 宿題の採点もさぼってしまい、申し訳ありません。 「準備に時間を使う」と書きましたが、まだまだ足りませんね。




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