質問と回答 (採点対象)

第3回 (10月18日)

この授業は質問を採点の対象にしています。 詳しくは、 ガイダンス P6を見て下さい。

追加の質問がありました。 質問3.です。

これも回答が遅れて申し訳ありません。 遅れても回答は必ず書きますので、これに懲りずにまた質問して下さい。

ホームページで公開不可、とは書いてなかったものを、掲載しました。 (掲載に関して間違っていたら至急連絡して下さい。) 下線の上は私の回答です。 また、提出したのに、載っていない人は、 連絡して下さい。 採点されていない可能性があります。


質問 1. (採点結果: 10点)

質問1 授業ノート3の(1)式を積分した結果が、(4)になっています。 右辺の第1項は ∫t+ΔttF(X(t1))dt1 だと思うんですが、 これがF(X(t))ΔtになっているのはF(X(t+Δt))とF(X(t))が あまり変わらないからだと思っていいですか? 一方でΔWがR(t)Δtと書かれないのは R(t+Δt)とR(t)で大きく違う可能性があるからですか?

この部分は、他にも質問が来ていて、授業中にきちんと説明すべきでした。 どうもすみません。 けれども答えは大体質問されている方のとおりです。 もう少し数学的に厳密に言うと、 ∫t+ΔttF(X(t1))dt1 は、tについて連続ですが、 ∫t+ΔttR(t1)dt1は、 tについて連続ではないからです。


質問2 (22)を導くための説明が3行書いてありますが、 ΔWがガウス分布していると何故 n≥3の時は <ΔWn>がΔt2以上になるのか分りません。 ΔXの3次以上の項がΔtkΔWn-kに比例するのは {F(X(t))Δt+W}nを展開した結果の項だとわかったのですが、 上のR(t)がガウス過程であるという仮定3が何を言いたいのかわからなかったので (22)式が導けませんでした。

これは宿題にしました。 宿題の13です。 ここで答えを言っても良いですが、もう少し考えてもらって、また分らなかったら聞きに来て下さい。


質問3(おまけ)
冒頭であげた4つくらいの目標に直接関係しない質問の場合は、 たとえ授業に関係ある質問でも0点になるんですか?

0点でなく、10点です( ガイダンス P6「採点基準」参照)。 ただし、たくさん質問しても目標と関係なければ、10点以上にはなりません。 逆に言うと、授業に関係している質問でさえあれば、最低10点は必ず取れます。 ということで、採点は10点です。


質問 2. (本人の希望により採点ぜず)

○ 10/18のプリントで(2)の式(略)とあるがどうしても
{-∂F(x)/∂x}P(x)に見える。 本当は-∂{F(x)P(x)}/∂xなのですが

確かにそう見えますね。 どうも申し訳ありません。 この方の言われるようにプリントを訂正して下さい。


○ 講義でランジュバン方程式からFP方程式変換の例として扱った スチルベンの異性化反応について板書で(図省略)と書いていましたが
疑問丸1 0度つまり回転させない状態とは何か? 具体的に言うと一番低エネルギーの状態を0度としているのか?
疑問丸2 手前に180度回転と奥に180度回転の状態は同じ状態ではないかのか?
つまり、(図省略)のように0度を中心に左右対称になるのでは?

疑問丸1: ここではトランスを0度にしています。 トランスとシスについては、 このページ このページ を見て下さい。 エネルギーについては、トランスとシスはどちらが低いのか私は分かりませんが、 ここ を見ると、トランスが低いようです。

疑問丸2: これは完全に私の間違えです。 申し訳ありません。 プリントを訂正して下さい。 問題は、板書したuのグラフですが、角度に対して周期的になっていないといけません。 言われるように、180度と-180度は同じものなので、 同じuの値でないといけません。 ですから、0度と180度の間にある山が0度の左や180度の右に無いと行けません。 また、-360度、360度などのところは、0度と同じ谷が、 -180度などのところに180度と同じ谷が無ければなりません。


質問 3. 追加 (採点結果: 13点)

Fokker-Planck eq. について
丸1 平均値の式をΔtのオーダーで切ってしまった方程式が FPeq だと考えられますが、 なぜ Δt のオーダーしか考えないのですか。 FPeqの適応範囲はΔt->0 でしか使えないのでしょうか。

Δtしかとらないのは、FP 方程式の左辺が時間微分だからです。 微分の定義から、t+Δt の値と Δt の値を引いて Δt で割って Δtを 0 にするので、Δtの2乗以上の項はすべて 0 になります。


丸2 X(t)がLangevin eq. に従う時 X(t)は t についてなめらかではありません。 この時、 f(X(t+Δt))をTaylor展開できるのでしょうか?
t についてX(t)はなめらかでない(=微分不可)が、 ΔX(t)=X(t+Δt)-X(t) はなめらかというのは自明なのですか?

授業できちんと言わなかったので、誤解を招いていたら申し訳ありません。 質問の中でおっしゃるとおり、X(t) が t について微分できないので、 f(X(t+Δt))は、t について Taylor展開できません。 しかし、授業で示したように、f(X(t+Δt))を平均した <f(X(t+Δt))>は、t について Taylor展開できます。 したがって、微分方程式がつくれるのは、f(X(t))ではなく、 その平均値<f(X(t))>です。 ΔX(t)=X(t+Δt)-X(t)についてももちろん、微分は出来ません。

今回は、「目標」で挙げたポイントが、4つあるので1つ25点です。 丸1の質問は3番目のポイントと関係していて、3点です。 丸2の質問は2番目のポイントと関係していて、18点です。 ただし、提出してくれたのが締め切り後なので、6割にして13点です。


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