授業ノート10の5ページに書かれている
「Peltier 効果」と「熱電対」についてです。
ここで示されている具体例のうち1と2に関しては内部エネルギーとエントロピーが
不可逆的な時間変化を表す一般式の仮定を満たしているので
(7)式のような表現ができるのが分かり、具体例としていいと思ったのですが、
2つの箱に電線をつないだというモデルをそのまま
「Peltier 効果」や「熱電対」でも使っていた事に疑問を感じました。
5ページに書かれている図のように異なる温度の箱を電線でつないでも
電圧が生じるとは思えません。
私は熱電対を自分で作って実験で使っているのですが、
このモデルは熱電対を表していないと思います。
「温度T1の箱」と「温度T2の箱」を二つの異なる金属線で
つなぐというモデルにした方がいいと思います。(接点は共有させる)
平衡状態でq_1の時間変化が0であることは変わりないので式は変わりません。
このままだと熱電対の「対」が2本の線ではなく、
箱1と箱2を指していると勘違いさせる恐れもあります。
また、2本の異なる金属(or 半導体)を使わないと
T1とT2に差があっても電圧は発生しません。
同じ金属をつないだ時に電圧が生じないのは
熱電対の原理であるゼーベック効果の電圧の式を見て考えたのですが、
(23)式の係数部分が0になる場合として説明できるのではないかと思います。
Peltier 効果についても同様です。
異なる金属を接合し電圧をかけると、接合点で熱の吸収・放出が起こる効果とし
て私は理解しています。
よって電圧をかける際に「電線」とは違う金属で
二つの箱をつなぎでもしない限り、Peltier 効果の話にはならないと思います。
今のままではトムソン効果の話(一つの金属上での話)になると思います。
質問は以上です。
メールで質問することに慣れていないせいか、
批判めいた書き方になっているかもしれませんが、
そういったつもりはありません。
学生の意見を積極的に取り入れて
分かりやすく講義を進めようとしている
のが伝わってきて、いい講義だと思っています。
どうもありがとうございます。
この質問に対する回答は、授業でもしました。
質問された方の言う通りで、
ノート10で「Peltier 効果」と「熱電対」という表現はまったく不適当でした。
ノート12で訂正しましたが、申し訳ありませんでした。
採点ですが、12月20日は、4-1の3つの目標と、
4-2の2つ目の目標の途中までやったので、1つの目標あたり 22
点になります。
この質問は 4-1の 2 つ目の目標を完全に理解できていると分るので、22
点、さらに最初の授業で配った「採点する質問について」(
ガイダンス
)「さらに重要な点で間違えを指摘している。」に相当しているので、20 点加算し、
全部で42点です。