2009年度前期熱と波動論基礎 宿題2 (5月14日出題) 解答

[問題2.]

身近な共鳴現象を挙げなさい。 電磁波や音波の九州でも良い。

[解答]

例1. 電子レンジ

共鳴とは外から周期的な力を加えた時、 特定の振動数で系が大きく応答する現象といえる。 系のエネルギーを考えると特定の振動数でエネルギーが増加している。 この時、別の振動数ではあまり増加しない。 つまり、周期的な外力で物質を加熱するとき、特定の振動数が必要。 共鳴する振動数は物質に固有だから、逆に言えば、 外力の振動数を固定すると特定の物質だけを加熱できる。 これが電子レンジの原理で、主に水を選択的に加熱している。 ただし、 厳密には量子力学の効果が重要で授業で説明した減衰振動と必ずしも対応しない。

例2. 空港のペットボトルの検査、胎児の超音波診断

共鳴現象は外力から見ると特定の振動数でエネルギーが減少するといえる。 外力が電磁波や超音波のとき「吸収」と呼ばれる。 これを応用して、外力の振動数を変えて測定し、 どの振動数で吸収が大きいかを調べる事により、物質の同定、分析が出来る。 ただし、電磁波の吸収の場合は量子効果が大きいので、 授業で説明したような古典的な運動方程式では説明できない部分も多い。


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