4月25日
2-1 波動の性質と光
(3) 論争の一応の決着
2-2 黒体放射
(1) 黒体放射
(2) レイリー・ジーンズの計算
○仮定
○統計力学の説明
反省: 授業の後半部分は全然分からなくなってしまったようで、
申し分けありませんでした。
特に地惑の方に戸惑われた方が多かったようです。
問題は、
- 確率分布ははじめての概念なのに、説明が足りない
- 統計力学は全く知らない概念で、そのギャップが大きい
- 何故ここで、確立が出てくるか分からない。
黒体放射との関係が不明
の3点が主でしょうか。
黒体放射における発見の面白い部分を解説しようとすると、
統計力学をある程度は説明しないといけないので、
2は、仕方が無かったかもしれません。
しかし、後の2つは、一重に私の説明が悪かった様です。
申し分けありません。
来週は、残りの2つを詳しく説明しようと思います。
いずれにしろ、分からなくなったら、部屋まで来て質問して下さい。
訂正: 授業中分配関数といっていたのは、2ではなくて、zです。
授業中に出た質問:詳しくは、授業で配るプリントに書きましたので、
そちらを見て下さい。
大まかに説明すると、
- 光の粒子説だと何故、水中で光の速度が速くなるのか。
残念ながら、調べても良く分かりませんでした。
申し分けありません。
ただ、光の粒子が水面に下向きの力を受けるとすると、
屈折し、さらに速度が上がる事は説明できます。
何故水面に垂直な力だけを考え、水平な力を考えないのかは、
分かりませんでした。
水面で受ける力は、上向きだけなので、
水平方向には運動量は保存します。
垂直方向には下向きに力を受けるので、
水面に入った後の垂直方向の運動量は、水面に入る前よりも大きくなります。
この事から屈折角が入射角より小さいという実験事実を説明できます。
さらに、光を粒子と考えた時の速度は、
運動量の水平成分と垂直成分の2乗の和の平方に比例するので、
その事から、水中での速さが早くなる事が分かります。
- 黒体放射と産業の関係についての
説明で、鉄が溶けるくらいの温度は測る方法が、
当時はなかったと言ったのに、
各温度のスペクトルが測定できたのは何故か。
やはり当時、高い温度を測定するには、
高価な実験設備と優れた実験技術が必要だった様です。
従って、黒体放射が解明されれば、
もっと容易に温度が測れるという訳です。
当時の実験にしても、1700度が限度だった様で、
プロジェクターで見せたような3000度や5000度の温度の測定は、
最近になってからの測定結果です。
具体的には、熱電対による測定が行われていました。
当時、
ケルビリンの絶対温度を測るには気体温度計しかなかったのですが、
高温では測定が困難でした。
1892年、HolbornとWienは白金と白金ロジウムの熱電対を開発し、
気体温度計により1700度までの目盛りを付けました。
熱電対とは、2つの違った種類の金属を接触させ、
温度の勾配を作った時に電流が流れる現象を使った回路で、
流れた電流の量を調べれば、温度が分かるとというしくみです。
白金と白金ロジウムは、この2種類の金属です。
参考文献: 黒体放射の歴史は、物理学史II 広重徹著 培風館
P149 および 20世紀の物理学I 「20世紀の物理学」編集会編
丸善 P25
熱電対については、{\bf 電磁気学 高橋秀俊著 裳華房 P144-148}
5月2日
2-2 (2) レイリー・ジーンズの計算
○ 統計力学の説明(補足)
○ スペクトルの計算
2-3 プランクの公式と光量子仮説
(1) プランクの公式とその意味
反省:今日はプリントを使ったのですが、
如何だったでしょうか。
プリントを使うと板書をする手間が省けますので、
ゆっくり考える暇があったと思ういます。
しかし、その分早く進んでしまって、少し分かり難かったようです。
申し分けありません。
この次プリントを使う時は、式変形についていける様、
ゆっくりします。
また、プランクの公式の意味を説明するのに、
無限等比級数を導入するのをあっさりやってしまって、
感動が伝わらなかったようです。
残念です。
次回は、新しい章に入りますが、パソコンを使うので、
楽しみにして下さい。
訂正: プランクの公式は、プリントが間違っていました。
プリントは、cが2乗になっていましたが、正しくは3乗です。
授業の後、質問が寄せられましたが、
その時の解答が適当でないのがあったので、
この場で、解答し直します。
<質問>
試験は、ノート、参考書持ち込み可と聞いたが、
参考書は買っておかないと、試験の時に不利になるか。
<解答>
ノートを取っておけば参考書は買わなくても大丈夫です。
ただし、ノートの必要な内容は、板書だけでなく、
プロジェクターで写したものも含まれます。
プロジェクターを使う時は、教室を暗くしてしまうので、
ノートを取りにくいとは思いますが、
授業後でも結構ですので、必ずまとめておいて下さい。
それが面倒であれば、参考書を買う事を進めます。
特に、プロジェクターの内容は、佐藤勝彦「図解雑学量子論」(なつめ社)
に載っています。
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