この授業は質問を採点の対象にしています。 詳しくは、 ここを 見て下さい。
2回めは激減して2つになりました。 採点が厳しかったからでしょうか。
ホームページで公開不可、とは書いていなかったので、掲載しました。 (掲載に関して間違っていたら至急連絡して下さい。) 下線の上は私の回答です。 これの他に、提出したのに、載っていない、 あるいは、メールで回答が来ていない人は、連絡して下さい。 採点されていない可能性があります。
質問 1. (採点結果: 1点)1. 多原子分子の自由度について、 運動は独立というのはどういう独立ですか? 運動は独立であることはエネルギー固有値が分けられる原因ですか? 「独立」という言葉は、本来、確率で使う言葉なので、 確率の言い方でいうと、回転とスピンが独立というのは、 分子がある回転の状態をとると言う事象と、 スピンがある状態をとる事象は相関が無いということです。 もし、ハミルトニアンがそれぞれの和でかける場合、 カノニカル分布であれば、それらの運動は独立になります。 しかも、その場合、量子力学的には、 エネルギー固有値が分けれる事も示せます。 つまり、独立が原因になっているというよりも、むしろ、 分けれる事が独立の原因になっていると考える方がよいでしょう。 2. 8.5式については、回転運動の分配関数といったが、×σi(縮退度)のとこ るによく理解できません。そして、エネルギー準位の8.4式は先生の講義の時に説 明がなかったが、今説明していいですか?特に慣性モーメントについてよくわかり ません。 まず、シグマについてですが、これは量子数の数え方により、 付けたり付けなかったりします。 エネルギー固有値に縮退が無ければ、まったく同じですが、 縮退がある時は、固有状態に番号をつけるか、固有値に番号を付けるかで変わります。 固有状態に番号を付けるのが教科書の(4.7)式で、 固有値に番号を付けるのが授業でやった場合でその時、シグマが必要になります。 (8.4)式は、水素原子のエネルギー固有値を知っていれば、簡単です。 4月18日に配った「授業ノート 1」の9式ですが、 今の場合は、 水素原子と違ってハミルトニアンが教科書P131演習問題[1]で与えられています。 これを、 水素原子の電子のハミルトニアンと比べると、mr2を慣性モーメント I に置き換えれば良いことが分ります。 3. hi^spin=0を仮定したら→εi^spin=0→n=1 しかない。Spinの状態によって エネルギーがかわらない状態である。この状態は一番基本的な状態ですか、あるい は、一番エネルギー低い状態ですか? 「この状態」がどの状態を指しているのかよく分かりませんが、 固有状態は 2S+1 個あり、そのどれもが同じエネルギー固有値 0 を持っています。 したがって、エネルギーは、どれも同じで、低いも高いもありません。 4. 低温展開のところ T→小 J→小のみが寄与 exp〔−J(J+1)Θ/T〕Tが十分 小さければ、即ち分母が十分小さいと Jの変化はもしできるでしょうか? 小というのはどんな程度ですか?場合によって違いますか? 温度が充分小さいと、Jの大きい項は、小さい項に比べて、 値が小さくなります。 したがって、教科書P124の(8.5)式の級数は、 Jの小さい項だけを残せば良いのです。 どれくらい小さければ良いかというのは、前にも質問がありましたが、 その時に必要な精度によります。 つまり、場合によって違います。 4つも質問してもらいましたが、理解度がわからないので、1点にしました。
それから、この方は、いつの授業の質問かが書いてありませんでした。
採点する質問に付いて
でも書きましたが、
質問 2. (採点結果: 3点)質問1 単純に 3次元で 3倍です。 ただし、スピンの自由度を考えると、さらに 3M 増えます。 振動に付いては、授業の後、聞きに来られた方もおられて、 少し分かり難かったかもしれません。 質問の例に沿って説明すると、3原子が直線状に並んでいる場合、 それぞれの間隔の長さが変る振動が、2個あります。 ここまではわりとするすぐ分かるので、振動は 2個しかないじゃないか、 あと 2個はどこに行ったんだと思われる方が多いかもしれません。 実は、この間隔の長さが変る振動の他に、 3原子分子が折れ曲がる振動があるのです。 つまり、真中の原子を中心にして、 後の 2原子が間隔を変えずに前後に揺れる運動です。 これは、偏角振動と呼ばれています。 この振動は、3原子分子が直線に並んだ時の直線に垂直な面内の 2つの方向があるので、自由度は 2個と数えます。 質問2 申し分けありません。 最初は、Z1と書いていましたが、 ただの Z もありましたね。 分子に限らず一般的な公式を書く場合は、Z にしてしまったので、 わかりずらかったかもしれません。 Z並や Z回、Zスは、 全部 1分子あたりです。 また、比熱(熱容量)は、1つの分子の計算しておけば、 それに粒子の個数 N をかければ全体の熱容量がでます。 質問3 これは、量子力学の問題ですが、原理的には、縮退度は、 ハミルトニアンで決まります。 つまり、与えられたハミルトニアンで固有値問題を解いて、 同じエネルギー固有値を持っている固有状態の数を数えるわけです。 2J+1 というのは、 教科書P131の演習問題[1]にのっているハミルトニアンの時です。 「回転」と言っても別のハミルトニアンの時は、別の縮退度になります。 この授業は、統計力学の授業なので、 ハミルトニアンから縮退度を計算するような問題は考えませんが、 「回転」の縮退が 2J+1 になるぐらいは覚えておいた方が良いかもしれません。 振動に付いては、量子力学を勉強されると良いと思うのですが、 1次元には縮退がありません。 しかし、2次元や 3次元になると縮退します。 例えば、2次元の場合、量子数は 2種類ありますが、 その 2つの和が等しい固有状態は同じエネルギーを与えます。 今回のポイントは、
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