この授業は質問を採点の対象にしています。 詳しくは、 ここを 見て下さい。
ようやく回答が追いつきました。
ホームページで公開不可、とは書いてなかったので、掲載しました。 (掲載に関して間違っていたら至急連絡して下さい。) 下線の上に私の回答があります。
質問. (採点結果: 3点)類題を2つの解法で解いた後、§10.4.1をやりましたが、 光を波と考えると、横波と結論できます。 横波とは、振幅の方向が進行方向に垂直な波のことですが、 3次元空間である方向に垂直な方向は 2つあります。 この 2という数が、状態密度を 2倍することと関係しています。 一般に光は、いろいろな振幅方向が、混ざっていますが、 その分布が一様でない時、「偏っている」 と言い、偏っている光を「偏光」と言います。 状態の数は、この振動の方向が独立な 2つのベクトルで表せるために、 波数を固定しても 2個あると数えるのです。 もちろん、振動の方向は360度どこでもとれるので、 それぞれを状態の数にあてはめると、無限個になりますが、 実際区別できる状態は、2つしかありません。 それは、スピンと同じ事情で、もし磁場など無く、 スピンに関しては等方的であれば、z 方向の2つの固有ベクトルだけでなく、 その線形結合も別の状態です。 しかし、その状態を区別するためには、磁場などをかけて、 固有値の縮退を解くわけですが、スペクトルは2つにしか分裂しません。 光についても同様で、偏光板によって区別できるのは、 2つの状態しかないのです。 これについては、私にもまだ良く分からないこともあるので、 ご自分でも少し考えてみて下さい。 そして、何か分かったら教えて下さい。 計算すると D(w)=W2/(π2C3) が求まり、 w〜w+dwの間にある単位体積当たりの状態数は D(w)dw となりました。 そして電磁波のエネルギー密度を求めるのですが
これは基本的にはエネルギー準位に対する足し合せから、
エネルギーについての積分に近似する時と同じです。
前の時は、量子数だったのが、
光の場合は、固有振動についている番号 s です。
前の時は、量子数に対する足し合せが、
今の場合は、固有振動に対する足し合せになっているのです。
体積が大きくて固有振動の間隔が狭くなると、
この足し合せは積分に近似できます。
そのとき、エネルギーについての足し合せではなく、
角振動数に対する足し合せになります。
したがって、@ と書いたすぐ後の式は、
積分記号があって、イコールが成り立ちます。 さらに §10.4.2について BP159(10・53)式の被積分関数を X2と近似する理由がわかりません。
ここは、説明する時間がありませんでした。
教科書の(10・52)式を見てもらうと、高温では積分の上限が小さくなります。
したがって、被積分関数の x の値も積分の下限 0 に近くなります。
そこで、x の小さいところだけをとるのですが、
exp(x)-1 ~ x と近似すると、分母は x の 2乗になって、
さらに、分子は exp(x)~1 とすれば、x の 4乗になるので、結局 今回のポイントは、
質問. (採点結果: 3点)類題の解答の中のテイラー展開で△Tの2次の項までとっているのに、 μの2次の項までないのは何故ですか 最終的には、温度 T をTc のまわりで展開して、2次までとる事が目的です。 この時、他の変数を止めて展開するので、 何を止めるかによって展開が変ります。これが重要な点です。 ここでは、S = S(T,N,V) で、止める変数は N と V ですが、 例えば、S = S(T,μ,V)として、化学ポテンシャルを一定にして、 展開することも出来ます。 S(T,N,V) と S(T,μ,V)では、同じ温度の展開でも、 展開係数は変ります。
もし、S(T,μ,V)を出発点にして、Nを一定にして展開するなら、
μ = μ(N,V,T) なので、μによる展開も必要なのです。
つまり、 ポイントがわかっているかどうか、わからないので、3点にしました。 質問. (採点結果: 4点)1)§10.1の例題の解答Aで熱力学の関係式(P10.表1.2)から
上に書かれている通り 2)[問題]の解答で 「波数空間で考えられると光は偏りが2方向あるので・・・」 と書かれてありましたが、 光の偏りが2方向のイメージがどうも良く分かりません。教えてください。 上の方にあった質問の回答と同じです。 この人は、ポイントの1つ「圧力とエネルギーの関係」で、 少なくとも熱力学の部分は分かっておられるようなので、1+3 = 4 点です。 質問. (採点結果: 3点)<I>板書で「粒子数を人間が制御できないので〜」とありましたが、 6/7の板書では「μではなくNを制御」とありました、 一体どちらが本当なのですか 分かりにくい説明で申し分けありませんでしたが、両方本当です。 つまり、 「普通の粒子」は、粒子数を人間は制御できます。でも、たくさんあったら数えられないじゃないか、 と言う人がいるかも知れませんが、だいたい重量を測れば、 粒子数も分かります。 それに対して、「光子」の粒子数は、人間が制御できません。光には質量が無いので、重量から測ることが出来ないし、 何よりも、容器の中に閉じ込めても、勝手に生れたり、消えたりするので、 粒子数を一定に保つことが出来ないのです。<II>板書で立方体に閉じこめられた光子の状態密度が D(w)=w2/(π2c3) となるのは分かったのですが、 実際計算ではεを使いますよね。なぜD(ε)を求めないのですか。 D(w) でも D(ε) でもまったく同じです。 好きな方を使ってもらえれば、良いです。 実際、D(w) でも計算できるし、D(ε) でも出来ます。 教科書も D(w) で計算していたし、宿題も D(w) を使ったと思います。 さらに、w とεは、ε= hw/2πなので、D(w) から D(ε) を計算できるし、その逆も出来ます。 <III>P159で 「D(w)=0 (それ以外=w<0, w>wD)」 とありますが、D(w)=0という状態が想像できません。 物理的直感としてわかるような説明をしてください。 波数空間で D(w) は、球殻の体積になります。 w = 0 は、球殻の半径が 0 になるので、D(w) も 0 です。 w が負の場合は波数空間のどこにも対応しないので、やはり 0 になります。 こんな説明で物理的直感として分かったでしょうか。 もし、分からない時は、部屋まで来て下さい。 コーヒーをご馳走しますから、一緒に考えて下さい。 ポイントがわかっているかどうか、わからないので、3点です。 質問. (採点結果: 3点)T=Tc で So がなめらかであることを示すために S(T,M)のM=0,T=Tcでの展開を書かれたと思うのですが、どうして
他の物理量を動かすと化学ポテンシャルが 0 でない値から
0 になるのがBE転移なので、
化学ポテンシャル一定では決して転移は起こりません。
つまり、化学ポテンシャル一定で他の物理量を動かしても、
決して不連続にならないのです。
したがって、 ポイントがわかっているかどうか、わからないので、3点です。 |