この授業は質問を採点の対象にしています。 詳しくは、 ここを 見て下さい。
今回は時間が無いので、質問と採点結果をとりあえず、載せます。 回答は、また後で書きます。
回答書きました(7月19日)。
ホームページで公開不可、とは書いてなかったので、掲載しました。 (掲載に関して間違っていたら至急連絡して下さい。) 下線の上に私の回答があります。
質問. (採点結果: 4点)<1> 板書で<σi> = 1/q Σiσiexp[-βHA] となるのは理解できますが、HAを代入後、 その通りです。 私の間違えです。 申し訳ありませんでした。 <II> A(M.T)をMで展開したものと A1(T),A2(T)とTcのまわりでテーラー展開したものを対応させることで、 A(M.T)=A0(T)+(a/2)(T-Tc)M2 +(b/4)M4 となる所まで分かるのですが 「A(T)=A(M(T),T)」 と等号で結び付けている所が少し疑問です。 これはA(T)の式の中でM(T)というものができる (何らかの手段でM(T)を作り出してやる)という意味だと思うのですが、 textを読んでいるとdA/dM=0としてやってM(T)が求まるわけですが、 最初からM(T)というものはわかっておらず、 M(T)を仮定してdA/dM=0を利用してやっと分かるのですよね? これはランダウさんが提案したものですが、 これは一般的に(2次相転移に対する種々の平均場近似に関して)は 常に実験とは一致しているのですか? 長くなりましたが、いわんとしている所は仮定とした A(M(T)T)をA(T)=A(M(T),T)と板書で書かれたので実験で一致しているのかな? すぐに「=」で結びつけた根拠は何なんだろうと疑問に思えたのです。 これは、難しい問題ですね。 そもそもA(M,T)って何なのか?というところまでさかのぼらないと説明しにくいです。 なぜ、最小値を与えるMが実現するのか。 それについては、統計力学の基盤にたって、授業の後半プリントで説明しました。 それで、一応、疑問は解決すると思うのですが、どうでしょうか。 もしかしたら、疑問を取り違えていますか。 しかし、実は、プリントで書いたA(M,T)は、ランダウの自由エネルギーかどうかは、 研究者の間でも意見が分かれています。 私は、とにかく、「最小が実現するようなA(M,T)が定義できる」 というのは仮定だと考える方が良いと思っています。 その仮定が統計力学で証明できるかどうかは、別の問題でしょう。 ランダウの自由エネルギーは実験に合いません。 しかし、それは、指摘されているところよりも、平均場近似が合わないようです。 <III> textP173の一次相転移の所で二次同様にdA/dM=0 よりMを決定してやる所までは分かるのですが、 「T1=T0+b2/(4ac)」「Tc=T0+3b2/(16ac)」がどうやって導出されたのかが、分かりま せん。 (11.29)の式を見ると、TとT0しかないからです。 1次相転移は、時間がなくて出来ませんでした。 でも、重要なので是非勉強して下さい。 プリントをやめて、これを説明した方が良かったかも。 教科書の(11.28)式をMの6乗で打ち切った多項式を、また増減表をつくって調べれば、 少しは様子が分かります。 そうすれば、式の中には、T0とTしかないのに、 T1とか、Tcとかの別の温度が重要になるのがわかります。 今回は、
質問. (採点結果: 3点)@ランダウ理論での仮定:A(M,T)がMでTaylor展開できるということの物理的な意味は 何であるのか? 「物理的な意味」というのは、多分、どんな風にイメージできるかということだと思うのですが、 それは、難しいです。 とにかく、何か関数があって、それが Taylor展開できるということは、 微分が出来るということとだいたい等価ですが、 今まで数学でも物理でも出てくるのはみな微分できる関数ばっかりだったでしょう。 だから、ランダウ先生もそう考えたのだと思います。 実際、平均場近似のA(M,T)は、微分可能で、Taylor展開できました。 でも、プリントでやったような統計力学的にきっちり定義されたA(M,T)が、 いつも必ず Taylor展開できるかは、分かっていません。 A A(M,T)は系の対称性とは具体的に何か分からない。 これも、もっと詳しく説明すべきでした。 もし、外部磁場がなければ、Mを-Mにしても物理は何も変わらないはずです。 つまり、Mの符号について、われわれは区別する方法がないということです。 例えば、定義として、今までプラスにしていたのをマイナスと定義し直しても、 以前の定義と今の定義の区別をすることができません。 これが、「系に対称性がある」ことの意味ですが、 この対称性のために、A(-M,T) = A(M,T)という式が成り立つのです。 このことから、テーラー展開が偶数次しかないことが分かります。 ポイントが分かっているかどうか分からないので、3点にしました。 |