フェルマーの原理と変分原理

テキスト p87〜

ここでは、フェルマーの原理と変分原理を用いて、光の経路を求めてみます。

フェルマーの原理

フェルマーの原理とは、「二点間を結ぶ光の経路は、その所要時間を最小にするものである」です。何もない空間では文字通り一直線が最短ルートなのですが、屈折率の違う媒質中を通るときには、所要時間を最短にする経路は一直線ではありません。高校の物理で出てきたように、屈折率の違う境界を通過するとき、光の道筋は曲がってしまいます。

変分原理

変分原理とは簡単に言うと、「ある物理量の積分の値が極小になるようなケースが、現実に実現される運動である」ということです。

光の経路を求める

それでは、屈折率の異なる空間について、光の経路を確率を使った計算によって求めてみます。屈折率の異なる境界上の点を、光の所要時間が小さくなるようにランダムに動かしていきます。この方法では厳密な答えは出ませんが(長い時間をかければかけるほど正確な値には近づいていく)、変分法のイメージをつかむのに大変役に立つと思います。

「Two System」は、屈折率の異なる2つの媒質で構成された系です。左の屈折率は右に対して相対的に変えることができます。

「Multi System」は、屈折率が連続的に変化する媒質を8段階で近似した系です。屈折率は 1/(x+1)で変化しており、右へ行く(色が薄くなる)にしたがって屈折率は小さくなります。

「start」ボタンで計算を開始、「stop」で停止。時間がたつと、だんだん実線で示した連続系での解に近づいていき、光線の行程時間が小さくなっていく様子が分かります。



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