生きがいをうばい去るもの


この章からだんだんとこの本の最も言いたいことに入っていきます。

生存の根底にあるもの

生きがいが奪われてしまって、生きるか死ぬかのぎりぎりの状態をヤスパースに習って、 この本では「限界状況」と呼んでいます。 様々な民族、違った文化や社会においては、それぞれ価値基準が違ってくるから、 心の世界が違ってくるのだけれど、 「限界状況」は、すべての人類共通だと主張しています。

運命というもの

難病にかかること

愛するものに死なれること

その苦しみを主に文学作品の中に書かれている例を使って説明しています。 妻、婚約者、妹、等が愛するものに挙げられています。

これは、書かれていることではないのですが、愛するものとして、 必ずしも人間である必要は無いように思われます。 特にペットは、その候補に挙がります。 私自身は、ペットを飼ったことはありませんが、ペットを家族同様にして過ごすのは、 ずいぶん以前からあると思います。 したがって、ペットを無くした時の悲しみは、充分生きがいを奪うものでしょう。

人生の夢が壊れること

ここでパールバックと言う女性の小説家が登場します。 このパールパックさんは、これから何度か登場し、この本で重要な役割を果たします。 パールパックさんは、自分の家を子供で一杯にするのが夢だったのですが、 生まれてきた子供が精薄児で、そのことでとても苦しみました。

罪を犯したこと

死と直面すること



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