• 日時: 12月15日(月) 14:00~17:00
  • 12月16日(火) 11:00~16:00
  • 12月17日(水) 11:00~16:00
  • 場所: 九州大学箱崎キャンパス理学部2号館1階物理第一会議室(2154)
  • 講師: 三浦 伸一 氏 (金沢大学理工学研究域・教授)
  • タイトル: 「分子液体の統計力学の基礎と応用」

講義概要:

液体は,気体や固体と比べてその理論的なモデル化が難しい。気体に対する理想気体や固体に対する調和模型のような解析的に解ける良く理解された出発点が存在しないことがひとつの理由であろう。そのために液体・溶液の性質を理解するためには多体系の手法に基づき、第一原理からまともに取り組まざるを得ない。本講義では、そのような手法のひとつである積分方程式理論について講述する。まずは液体状態を記述するための統計力学の基礎的なツールを概観し、液体状態を理論的に記述するための一般的な枠組みとして密度汎関数理論(DFT)を導入する。DFTを用いた単純液体の取り扱いについて解説した後に、その手法の分子液体への拡張について詳述する。分子液体への拡張には、RISM積分方程式が中心的な役割を果たすのであるが、この方程式の別ルートからの導出も試み、その妥当性を示す。

1.      液体の統計力学の基礎

2.      密度汎関数理論(DFT)の導入

3.      単純液体のDFTによる記述

4.      分子液体への拡張

5.      RISM積分方程式の再導出