2006年 |
3月14日 |
瀬戸内晴美 |
かの子撩乱
瀬戸内晴美だ。
今は瀬戸内寂聴と名乗っているらしいが、
母親が好きだった小説家だ。
これから少し続けて読もうと思う。
ということで、岡本かの子だ。
これは標準的な伝記といえるが、
岡本かの子の存在自身がおそるべし。
常識というものについて考えさせてくれる。
人間は生きていると、必ず常識に反することをしてしまうと思うが、
常識に縛られているとそれがとても辛い時がある。
そんな時に読むと良いかも知れない。
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4月 26日 |
瀬戸内晴美 |
京まんだら(上)
文章がすごく上手だとはいえないところがあり、
作品自身が初期の頃だと思うので、特に会話が素人くさい感じもしたが、
題材は、作者がこの小説を書く必然性がわかるものだった。
どうも瀬戸内晴美は、題材で勝負の人らしい。
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5月 5日 |
川原泉 |
甲子園の空に笑え
実は最近
フィギュアスケート
に凝っていて、この漫画も、収録されている
「銀のロマンチック、わはは」
というフィギュアスケートの漫画が良いと、すすめられて買った。
で、すすめてくれた人にとても感謝している。
素晴らしい漫画だった。
最近では「2つのスピカ」以来のヒットだ。
オリンピックのショートでスルツカヤがあんなにすごい演技が出来たのは、
もしかしたら病気のだったのかもしれないと思わせる漫画だった。
後、収録されている2つの漫画も、読んだが、川原泉、
なかなかすごい漫画家だと思った。
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6月 13日 |
瀬戸内晴美 |
京まんだら(下)
長編小説は全部読み終わって、さらに時間が経つ方が良い様だ。
この小説も読んでいる途中の印象と読後の印象はまるで違う。
作者もそれは計算ずみなのだろうか。
とにかく、上巻を読み終わった時よりもずっと面白い。
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7月 14日 |
瀬戸内晴美 |
花芯
この間、ある人にこのページを読んでくれていると、
ありがたい言葉を頂いたが、その人は月に 10冊以上読むらしい。
「京まんだら」を読み終わってから
1ヶ月以上経って次のを読み終わる私とは大違いだ。
というわけでここでは、「子宮作家」の「花芯」よりも
「いろ」についてだけ書いておく。
この短編は、他の小説と文体というか雰囲気がまるで違うように感じた。
私自身は瀬戸内晴美の文章は
そんなに洗練されていると思っていなかったのだが、
この短編だけは、まるで森鴎外のような味わいがある。
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8月 25日 |
瀬戸内晴美 |
百道
小説家が伝記を書く一つの方法として、
資料に資料を重ねて調べまくった上でノンフィクションのように、
書くのが流行っているのだろうか。
これも、その分類に入る伝記だ。
私はどちらかといえば、安岡章太郎の方が徹底している感じで好きだ。
もっとも、西行というのも難しいのかもしれない。
岡本かの子のような女性の方が得意なのかもしれない。
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10月 1日 |
瀬戸内晴美 |
密と毒
作者は以前離婚歴があるそうで、いろいろな体験をしたのだと思うが、
この小説は、人に裏切られる寂しさがあまりリアルに書いてある。
聞くところによると、作者はどちらかといえば裏切る方だったらしいが、
裏切る方が裏切られる心情をよく理解できるということだろうか。
しかし、「作者は裏切る方」というのも、そんな単純じゃないのだろうけど。
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10月 19日 |
九州大学文芸部 |
九大文学 Hervest Rain
また、文芸部の人にたくさん頂いたので、早速読ませて頂きました。
私の好きな人はもう卒業されておられないと聞いていたので、
「更紗未々」さんの名前を見つけたときは、小躍りしました。
本自体は、どの作品も相変わらず、水準の高い、
すばらしいものが多かったのですが、
編集後記にもあるように作品ごとに世界が全く違って、目が回りそうでした。
個人文集のようなもので、じっくり味わいたい気もしました。
ただ、その中でやはり、
「更紗未々」さんのは、たった1個の作品で十分味わえました。
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11月 2日 |
九州大学文芸部 |
花霞のゆめ
この前に読ませて頂いた「Hervest Rain」は、ベスト盤だったみたいで、
九大文芸部恐るべし、と震撼したのですが、
この「花霞のゆめ」を読んで少し安心しました。
今回もいろいろな作品がありましたが、一番印象に残ったのは、
「海か化け物」です。
文章はこなれていない部分があるようでしたが、
やはりこういう作品は、テーマです。
どうしても書きたいことがある!というのがよくわかる迫力のある作品でした。
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11月 4日 |
九州大学文芸部 |
Air Violin もしくは「オラ 手前ぇ金出せやクラァ」
一番印象に残ったのは、「顔に泥」でした。
特に何ということもないストーリーでしたが、
つまり、波瀾万丈にとんでいるわけでもなく、
誰かが死んだりするわけでもないのですが、
「文芸」という感じがして、読んでいて深いものがありました。
それから、「毛むくじゃら令嬢」は、舞台といい、話といい、
とても日本に住んでいたら考えつかない気がして、元本があるのか、気になりました。
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11月 9日 |
九州大学文芸部 |
新入生文集 2006
これは、「新入生文集」とあるので、1年生の人の文章が主なのだと思いますが、
それだけに書き慣れていない感じが初々しいですね。
「緋色」は、作者のこれからの意気込みのようなものが伝わって、
こういうのが私は好きです。
「月のかけら」も押さえたストーリーがとても良かったです。
同じような設定の長い、波瀾万丈のメルヘンも時々ありますが、
こういう感じの短編も余韻がうまく残って好きです。
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11月 16日 |
九州大学文芸部 |
初夏文集 入植のすすめ
今回頂いた文芸部の本の中では、ベスト盤を除いて、
最も素晴らしいと思ったものです。
特に、「鳥啼かざれば(二)」がすごかったです。
(二)とあるので、(一)があると思うのですが、頂いた中にはありません。
また機会があったら下さい。
とにかく、文章を書き慣れている人で、ぐいぐい引き込まれます。
題材も素晴らしいし、(三)も読みたいです。
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