2009年に読んだ本(物理以外、主に小説)


2002年以前に読んだ大江健三郎の小説
2003年と2004年に読んだ本
2005年に読んだ本
2006年に読んだ本
2007年に読んだ本
2008年に読んだ本
2つのスピカ
1月10日 九州大学文藝部 ふきだまり

頂いた本の2冊目です。

「神様のいた日」は、私が好きな先品の一つです。 伝えたい事がはっきりしていて、それがきちんと伝わって来ました。 そう言う作者が強烈に伝えたいと思う事にである事が、 小説を読む醍醐味なんだと思います。 ただ、高校が舞台というのが少し私には分かりませんでした。 1冊目もそうでしたが、高校が舞台のが多いのは、 やはり皆さんが最近まで高校におられたからでしょうか。

「ほしくず」。 独特の雰囲気のあるお話でした。 改行をたくさんするのも効果をあげていますし、 この雰囲気を極めるとどんなことになるのでしょうか。

「スランプ」は、短いけれど印象に残る作品でした。 このかたの長いのも読んでみたいです。

「ふたつの月がのぼる」は、とても文章が上手な方だと思いました。 読み切りではないし、こういう作品には私が慣れてないのもあり、 よく分からない部分もありましたが、続きを読みたいと思いました。

「バスのはなし」は、優れたアイデアで、とても面白かったです。 それぞれの話も内容が豊かで、特に侑子さんの話を別に長く読みたいと思いました。

「夜汽車」、「ほったさんの肖像」。 どちらかと言えば、「ほったさんの肖像」が好きですが、 どちらも独特の雰囲気で面白かったです。 「ほったさんの肖像」の方が、伝えたい事がはっきりしていて、 そしてそれが私の好みにあっていました。 短いけれど印象に残る作品ですね。

「赤ずきんちゃん」。 これも読んでいて楽しかった。 おそらく文章が良く書けているからだと思います。 意外なストーリーというわけでもなく、 登場人物も童話から取って来ているようだったので、 やはり文章が良かったわけです。 特に会話が生き生きしていて良かったです。

「CAKE」。 今回は本当にいろいろな方がいろいろな作品を書いておられますね。 これも、食べ物の描写が特別な効果を持っている不思議な作品です。 書いている方も洋菓子が好きなんでしょうか。 ここまで細かく描写されると、びっくりです。 そしてそれはとても成功していました。

「珈琲色ロマンチクス」。 これは、読み切りというよりも、連載と言う感じで、まだ続きそうでした。 したがって、1つだけ読んでもよく分からない部分がありましたが、 設定が終わって後半は面白かったです。 でもやはり、なぜ日本ではないのか、その必然性が私には分かりませんでした。 それでも文章が読ませるので、引き込まれる作品ではあります。

「夜色のさかなと群青の朝」。 悲しいはなしですね。 詩のような雰囲気を持った小説がこれ以外にもいくつかありましたが、 これはストーリーも分かりやすくて読みやすかったです。 病気がとても不思議な病気なので、作者の才能を感じます。 同じ病気でもっと長い小説も読みたいです。

すみません。 頂いておいて、文句を言うのはおこがましいのですが、 出来れば表紙はあまり可愛くない方が地下鉄で読みやすいです。

1月10日以降 九州大学文藝部 story box SIDE A

頂いた本の3冊目ですが、何時読み終わったのか分らなくなりました。

「Dear」は、良い話ですね。 私の好きなタイプの作品です。 若々しくて、躍動感があって、読後がさわやかでした。 特に最後が秀逸です。 創作にはいろいろな最後があり得るのですが、最後を書きたくて、全部を書くこともありますよね。 もしかしたら、この方もそうかもしれないと思いました。 この調子で九大文藝部を彩って下さい。 って、もう卒業される方かも知れませんが。

「てのひらに花」。 九大文藝部の最近の傾向で筋の派手な話が多い気がしますが、こういう作品も私は大好きです。 特に波瀾万丈というわけではないけれど、独特の雰囲気を持っていて、 こういうのを読むと小説の醍醐味を感じます。

「切り裂き魔の眠る夜」は、正直に言って気持ち悪かったのですが、文体は楽しめました。 1つの文を長くしたのは、とても効果的だと思います。

「自殺し」は、こういう種類の話はあまりよ見慣れていませんので、感想を述べる資格も無いと思いますが、 面白い設定と言うか筋だと思いました。

「とおり」も、慣れていない種類の話で、でももっと長いと読んでいるうちに慣れたかも知れません。

「誰かから聞いた怖い話」は、怖くて感想が書けません。

「パラミシア」。 これは後編と一緒に感想を書きたいと思います。

2月7日 九州大学文藝部 story box SIDE B

「パラミシア」。 まず、このような大作を書かれるのは大変な苦労があったと思います。 3食よりも書くのが好き!という人でなければ、たとえそう言う人であっても、 長いものを書くのは大変な努力が必要です。 いくら学生で時間があると言っても、これだけの時間を取るのは並大抵のことではありません。 そして、その並外れた努力のおかげで本当に楽しい時間を過ごせました。 作者にとても感謝します。 こういう種類の文章は、実は私は慣れていないのですが、それでもとても面白かったです。 一気に読む時間が私には取れなかったのですが、 途中まで読んで次を読むのがとても楽しみでした。 一番興味深かったのは設定で、人間対妖精という図式があるのに、 話自体は妖精の立場で書かれているのが、話を複雑にしていました。 その辺りは色々考えさせるものがあるのですが、さらにその辺を掘り下げた次回作があれば、 良いなあと思いました。 もちろん、そんなこととはまったく関係ない次回作でも楽しみです。 ところで、「パラミシア」とはどういう意味なのでしょうか。

「私と僕と獣の詩編」。 やはり私には詩は難しいです。 ただ、この作品はリズムと言うか調子が良くて読みやすかったです。 私は詩をあまり読まないので、何とも言えませんが、 印象に残る強烈な言葉がある方が印象に残ります。 印象に残っても仕方ないのかも知れませんが。

「ぺ×スから二を抜いた名前の犬の話」。 同じ作者の「とおり」よりは私は面白いと思いました。 この方はとても文章がうまい方だと思います。 そう言う意味で読んでいて思い白いです。 でも何かこだわりがあるようで、でも、そのこだわりに最後までこだわっていないようで、 もう少し徹底すれば、新しい展開があるような気もします。 しかし、展開しなくても良いのかも知れません。

「チャップリンと泣き虫な猫」。 優しい話ですね。 書かれた方の優しさが伝わる作品です。 短いですけど、内容が小説の醍醐味を味わえるものでした。 この方のもっと長い作品を是非読みたいと思いました。

「鉤しっぽのきみ」。 これは悲しい話ですね。 おそらく作者はそれを書きたかったわけではないとは思いますが、 私は悲しい部分に直ぐ目がいってしまいます。

4月8日ごろ 瀬戸内寂聴 藤壷
7月18日 瀬戸内寂聴 人が好き
??? 九州大学文藝部 Dear MYTHter
??? 九州大学文藝部 九大文学
10月5日 水上勉 壷坂幻想

吉森明のホームページへ